東方短編集 〜The End Story



 




紡ぎだした、一本の糸は、 やがて切り落とされ、 闇へと葬られる。 幻想のままに。

「ここも、寂しくなっちゃったわねぇ」 紫のドレスを着た金髪の女性は微かに笑うと、神社の鳥居をくぐった。 標識には博麗神社と筆で書かれた文字、その達筆な文字も風化していて目を凝らして読まないとわからない。 女性は神社を眺め、なにかを思い付いたように足を止めた。 ゆっくりと瞼を閉じ、懐かしむように、深く、深く深呼吸をした。 「あの頃は、皆いたのよね」 そんな女性の呟きも、一陣の風となって消えていった。 ここは幻想郷。 外の世界で"幻想"となったものが幻想郷に入り込んでいく。 ここには妖怪、妖精、神様、忘れられたものが存在している。 俗に言う"幻想入り"システムは幻想郷を包む結界、博麗大結界を通し、幻想郷に存在する事が出来る。 幻想入りすれば、外の世界では忘れ去られた事を意味する。 それは事象も人間も含まれる。 「ねえ紫、貴女の仕業かしら?」 「やーねー、私はそんな事しないわ」 「なら、この天気は何よ!」 そうそう、天人までもが幻想入りしたんだっけか。 神社を壊し、大きな地震を起こそうとしていたのが、今になれば懐かしいの一言で片付けられる。 「ねえ本当にこの道でいいのかしら?」 「そろそろ地霊殿へ着くわ」 「道案内とアシストは任せたわよ」 ふふ、あれは冬の事かしら。 温泉やら間欠泉やらが沸いて驚いた、まさか温泉が幻想入りするなんてね。 風化した賽銭箱に私はなけなしの金を入れる。 カーンという乾いた音、それにつられて彼女が来るんじゃないかって、つい、期待してしまう。 「あら、貴女が賽銭を入れるだなんてどんな風の吹きまわしよ」 もし、今も彼女がいたならば、そんな事を言っただろう。 永遠の、あの楽園の巫女は、もういない。 鬼が新しく建て直したこの神社も、木は腐り、雨漏りにより畳が変色していた。 主がいないこの神社に、神はもう、いない。 「紫様、ここにいらっしゃったんですね」 後ろから私の式、八雲藍の声が聞こえた。 さっと私は後ろを振り返り、未練が無いようにこう言った。 「さ、行きましょう」 「えっ……?」 あっさりとした反応に藍は驚いた。霊夢と紫は仲が良かった事を知っていたからだ。 それなのに、簡単にここを離れる事なんて出来ない筈だ。 「思い出がある場所だから、長くいたくないのよ」 藍の思いを知ってか知らずか、儚げに、そう言って藍の目の前に黒い空間を開いた。 その黒い空間は、紫や藍等が隙間と呼んでいるものであり、その隙間は遠く離れた場所に移動出来たりする便利なものだった。 「次はどこに?」 その問い掛けに、紫はクスッと笑った。けれど紫の笑顔に、どこか陰りが見えた気がした。 お気に入りの傘を携え、大きく開いた隙間の中に入っていく。 その後ろに藍がついていく。
隙間から出ると、そこは大きな階段が目の前にあった。 見覚えのあるそれは、藍が初めて博麗霊夢と出会った場所だと気付く。 だがそれよりも此処は、主人にとって大切な場所であった。 「この冥界も、やがて消えていくのね」 紫は誰に向けた言葉でもなく、ただうわ言のようにそう言った。 コツコツコツ、と足音が響くあたり、霊魂も妖精もいないのだろう。 ただ、見事に咲いた桜の木が私達を見下ろしていた。 「妖怪風情が、幽々子様には指一つ触らせません!」 「まあまあ妖夢、紫は私の友達よ?」 耳を澄ませば聞こえてきそうな、懐かしいあの声。 私の友達はある時桜の下に眠る自分の亡骸を見て成仏した。 庭師は私に刀を渡した後、静かに死んでいった。 何を思ったか、二人は綺麗な桜の木の下で、安らかな表情を浮かべていた。 もしかしたら、 二人は誰かの温もりを感じながら逝ったに違いない。 それは誰なのか、いやもしかしたら二人は残っていく者と逝ってしまった者を想ったのかもしれない。 ある大きな桜の木の幹に触れ、耳を澄ませる。 もしかしたら聞こえるんじゃないかという思いで。 案の定、聴こえなかった。 そうだ、今、この冥界、白玉楼には私と藍しかいないのだ。 聞こえたら、それはただの幻聴。 「……最後に、ここに来て良かった」 「紫様……?」 肩を震わせ、何かを堪えようとする紫に藍は優しく、こう言った。 「泣いても、いいんですよ」 紫は藍の懐で静かに、泣いた。声を殺して泣く金髪の女性は今ではあの頃の少女だった。 藍は子供を寝かせる母親のように、腰をぽんぽんと叩いて紫を優しく包んだ。 冥界の亡霊姫、西行寺幽々子が亡き博麗の代が潰えた今、 紫は独りだったのかもしれない。 私は、それに気付いてやれなかった自分を責めた。 「さ、行きましょう」 しばらく経って、落ち着いた紫がまた大きな隙間を開いた。 隙間の先は、マヨヒガ、 つまり我が家だった。 呆気に取られる私をおき、紫は 「疲れたから寝るわ」 そう言って障子を開き、布団に入ってしまった。 最近、紫の寝る頻度が増えてきた。 それと同時に能力をあまり多用しなくなった。 昔はよく隙間を使って、夕食のつまみ食いとかちょっかいをかけたりしていたが、今じゃそんなこともなくなった。 そして、後一つ気になっている事がある。 紫の、いわゆる冬眠の間隔が大きくなってきている事だ。 別に危惧すべき事じゃないと思っていたが、月人が月に還る少し前に名医である八意永琳に試しに聞いたところ、 「きっと彼女の体が能力の力に耐えられなくなったんでしょう。それに寿命が近いのかもしれないわね、  体が無意識に永く生き延びようと眠らせようとしているのかもしれないわ。  貴女、紫の式でしょう?主を失ったら───」 そうだ、私が紫の式では無くなったら、どうするのだろうか。 遠く離れた場所で暮らすか? ……きっと私は、ここにずっといるのかもしれない。 何年も、何十年も、紫の傍にいて、 きっと、いつか来るその日まで。 ──ああ、毛布一枚だけじゃお体が冷えますよ。   今、掛け布団をお持ちしますね。 1ヶ月の間、紫様は起きなかった。 それまで、藍はこの幻想郷を覆う結果の調整をしていた。 博麗の代が潰え、紫様の力が弱まっている今、覆う結界も藍の力でも現状維持など出来る筈がなく。 日々、弱まっていく結界に藍は頭を悩ませていた。 藍は紫の式、 だからこそ紫以上の力は無いし、あったとしても出せない。 いや何れにしろ、この難解な計算で構成された障壁、半分も理解出来ないのが現状であった。 「おはよう、藍」 「おはようございます、紫様」 1ヶ月前と変わらないその仕種、容姿に安堵する。 そういえば稗田が書いた幻想郷縁起を見たことがあるが、紫様は妖怪でも珍しく部類に入るらしく。八雲紫という人物であり、種族なのだと。 もしかしたら、 紫様は妖怪ではなかったとしたら? あの、全ての理をねじ曲げる力が無かったら、 人間、なんじゃないか って考えてしまう。 でも能力が無かったら、の話。 人間ではあり得ない強大な力と、たぐいまれない計算力を彼女はやってのける。 彼女が幻想郷を創ったと言う者がいた。 紫はそれを茶化して笑った。 けれど、私も信じていた。何故なら、このマヨヒガも顕界とも幻想郷とも違う微妙な境界によって隔離されているから。 だからこそ、その曖昧さに迷子が多く来たりしていた時期もあった。 兎も角、マヨヒガのように曖昧ながら隔離出来るのなら、幻想郷も可能なんじゃないか。と思う。 けれど、それも藍の憶測に過ぎなかった。 ……つまるところ、藍も紫の事を全て知らなかったのだ。 目を覚ました紫は何か書き物をしていた。 藍が何を書いているのですか?と聞いても、秘密よとの一点張りだった。 書き物をして、二日後に紫は寝てしまった。 紫が次は半年後だったりして、と笑いながら言って藍は胸が締め付けられるような感じがした。 「そんな事言わないで下さいよ───」 その言葉も虚しく、消えていくのだった。 紫が眠っている間、藍はいつものように家事を行った。 紫と藍、まるで虹のようだなと藍は思う。 私はともかく、紫は一番内側で他の色を支えているのだから。 赤、あの巫女が消えた時点で虹という幻想郷は消えたのかもしれない。 いや、違う。 ただ単に虹はずっとそこに在るわけじゃないから。あの巫女が消えたから幻想郷が崩壊するなんていうのは当て付けだ。 ……こんな馬鹿げたことこを考えるなんて全く、どうかしてる。 本当に、どうかしてるよ。 半年が、経った。 「藍、おはよ」 「おはようございます、紫様」 紫は宣言通り、本当に半年後に起きてきた。 毎日が繰り返しの藍にとっては思っていたよりも早く感じて、本当に半年経ったのかと思ってしまった。 ご飯を食べて、すぐ書斎に向かってまた書き物を始めた。 藍は紫にお茶を出すついでに聞いてみた。 「紫様は何を書いているのですか?」 「秘密よ」 半年前と同じ事を言った。 藍には教えないつもりなのだろう、紫はお茶を少し飲んでまた書き物を始めた。 三日後、紫様はまたお休みになられた。 「書き物がもう少しで終わるのに眠くなるなんてね、次は……そうねぇ、一年と半年ぐらいかしら?」 「分かりました」 「ねぇ藍」 紫が布団の上で、藍にさとすような口調で話す。 「藍、いつでも私を見捨ててもいいんだからね」 儚げにその言葉を紡ぐ 紫は目を閉じて、薄く笑った。 「何、言ってるんですか──」 「……」 「一度も、貴女の事が嫌になった事なんてないんですよ、捨てる訳、無いじゃないですか──」 「ごめん、ね」 主人が、初めて"弱さ"を見せた。 いつもの紫なら、それこそ藍をからかって笑い、じゃあね、と胡散臭く隙間の中に消えていくのに。 目の前にいるのは、紛れもない少女だった。 弱さを見せず、頑丈な壁を作り、決して奥にある心を見せないようにしている。少女が。 藍はなんとなく理解した。 「待ってますよ」 「…………えっ?」 「紫様が、目を覚ますまで何度も何度でも。私はその日の為に待ち続けます」 「藍……」 「だから、そんな顔をしないでください。そんな目で見ないでください。目を覚ましたときに、私が笑えるように、私は、ずっと傍にいますから」 「…………ありがと」 恥ずかしくて、紫は寝返りをうって藍を背に向けて、迫りくる睡魔に身を委ねる。 いつのまに、こんなに大きくなっちゃって。 いや、私が小さくなったのかしら? にこやかに笑みを作って、紫は静かに、眠った。
紫が寝てから数ヵ月後、 紫の書斎を掃除をしていた時だった。 「あれ、これは」 藍の目に留まったのはある一冊の本。 黒一色の、表紙も何もない無機質な本。 藍はおもむろにその本を開いた。 「……あれ?」 藍は首を傾げて、ページをどんどん捲る。 どういうこと?ページを捲るスピードが上がり、ついには最後のページまで捲った。 おかしい。 これは本であって、紫様が書いていた筈なのに── 「なんで、白紙なの──」 藍はそっと、書斎に本を戻して再び掃除を始めた。 1つの疑問を残して。
「…………んっ」 長い、長い、夢が覚めた。 はあ、と深呼吸して額に手をあてる。 仄かに温かいその手で拳を作ったりして感覚を取り戻し、目を開ける。 一年と、半年ぶり、だったか。 長い間自分の家を見ないでいると本当に自分の家なのか?とさえ思ってしまう。 畳の匂いを感じながら、布団を剥いで体を起こす。 一年以上寝ていても、何も食べずに生きながらえるとは、まるで生き仏になったようだ。 「おなかすいたわ……」 うわごとのように呟いて、 一年以上前に起きていたほんの数日を思い出す。 そして、ハッとして紫の顔が強張る。 「今回で、最後……」 そんなことをいつのまにか呟いて、紫は立ち上がる。 「藍ー!起きてるならご飯作って」 そう、今回で最後なのだ。 紫が居間に向かっている途中に、たたたたたっと藍が走ってきた。 一年と半年ぶりの再開に、藍は涙ぐむ。 「あら、半年じゃ泣かなかったのに」 「紫様───っ!」 よしよし、と藍を抱き寄せて背中を優しく擦る。 「藍」 「はい」 「待ってくれててありがと」 紫の言葉に藍の目尻が熱くなる。 そして、優しげな声で藍は 「……どういたしまして」 と言った。 その後、紫は食事を済ませ書斎に向かった。 私はこの数日で終わらせなければいけなかった。 この本を書き記して、全てが上手くいくように。 キッカケは、何億も前の出来事。 あの時、宇佐見蓮子と会っていなければ今の私は悠々と生きていただろう。 けどあの時私は気付いた。 外の世界と幻想郷は並行しているようで、してないという事が。 そもそもおかしいのだ。 私は何千もの年を越えていた筈なのに、蓮子はそれ相応に年を取っていなかった。 ならば、外の世界と幻想郷は同じ時間を流れていない。 それに気付いたのが、あの時。 時間、天候、場所によって隙間の向こうの外の世界は時代を変えた。 ある時は、月に人類が暮らし始めた時。ある時は、植物を枯らし作り物の植物を置いた時。 でも、それらに共通する事項があった。 少なくとも、外の世界で"メリー"という人物が消えてからの数十年。 そして、宇佐見蓮子が生きている時代。 まさしく、この二人が鍵だった。 そして、この時。 この時こそが、私が最後にやらなければならない事。 待ってくれてありがとう。 「みんな、ごめんね──」 書き終えた─── 真っ白な頁を見て紫がふうと息を吐く。 準備は整った。 二年もの間、力を使わずにいた。あとはもつかどうか。 「紫様」 後ろから声がした。 どうしたの、と返して九尾の式の次の言葉を待つ。 「その本には何が書かれてるのですか?」 「…………」 最後なのだ、 最後くらい私の式に教えてあげてもいいと思った 「何も書いてないわ、けどねそう見えて書いてあるのよ」 「…………?」 「これはね、"ある人物"しか読めない本なの。読めない人には真っ白な頁しか見えないけど読める人は別。  私の稚拙な文章が読めるのよ。あ、藍は読める人じゃないわ。一人だけしか読めないの」 「その読める人って……?」 「……私の"一番目"の、友達よ」 あっ、と藍は思う。 確か昔、西行寺幽々子の事を「二番目の友達」と言っていた気がする。 だとすると一番目の友達って……? 駄目だ、わからない。 藍は恐る恐る聞いてみる。 「その一番目の友達というのは……?」 「その子はいつも遅刻して、私を困らせたわ」 紫が懐かしむように、本に手をあてて目を閉じた。 藍は後ろでその主人の言葉を待っていた。 「正確な時間が分かるくせに遅刻しちゃって、でもしっかり者でいざという時は頼りになる……、  そうね、親友って言ったところかしら」 「その親友は……」 「霊夢が生きてた頃に一度だけ会ったわ」 「一度……だけ?」 「彼女はね、外の世界の住人だった。こっちの世界に来るべきじゃなかった」 「…………」 「彼女だけは普通に暮らして欲しかった、私や……あの子のように"特別"しか生きられない世界にいるべきじゃなかった」 「………」 何かが、間違ってる。気がした。 「紫様、違います」 「…………」 「紫様は皆が対等に暮らせる理想郷を作ったではありませんか、それなのに、なんで」 「ええ、そうよ。気付いた頃にはもう既に遅かった。霊夢の作ったルールで何億もの時が平和となった、  それは認めるわ。万が一、親友が世界に慣れたとしても…………っ」 紫は躊躇った。 次の言葉が、呪詛のように恐ろしくて、 「一体、"変わり果てた友人"を彼女が見たらどう思う?  私は大妖怪の賢者、人間と妖怪の境界を越えた成れの果て……!私も彼女も辛い筈よ。  ねえ、藍。私は怖かったの、人が変わる事が。今までの積み上げていたものが崩れ去るような気がして、  貴女には分かるかしら、自分が自分じゃない程変わり果て、自分がなんなのか、なんだったのか忘れてしまうような錯覚を、  そこにいたのは八雲紫という私、ありとあらゆる境界を操る力をもった妖怪だった。  世界の法則すらもねじ曲げるような力に私は選ばれてしまった。  そんな女に、私は彼女に会う資格なんてとうの昔から、"私が八雲紫だった時"から無かったのよ」 そんなのあんまりだ、と藍は思う。 だったら、紫様は報われないじゃないか。 何億もの時を生きて、最後までその友人の事を想って……。 「……そんなの、そんなのって」 「同情してくれるのかしら?ありがと。でもね、それでも、それこそ無限という時間を待ってるのよ、彼女は」 「えっ……」 「約束したの、待ってる、って。ずーっと昔の事なのにね、何故か忘れられないの」 藍は何も言えなかった。 紫とその友達が、あまりにも不条理な壁によって隔たれ、そしていつかその壁が壊れる事を待ち続ける。 壊れる事がない、その壁を。 「さて、と」 紫が立ち上がる。 紫のドレスを纏い、赤いリボンをあしらった白い帽子を浅く被った紫は藍の方を向いて、 「後はよろしく」 紫が、笑った。 ……藍は思った。 これが、八雲紫という人物なのだと。 そして彼女は結局、自分の理想郷なんて作れなかった。 幻想郷という理想郷を作っても尚、八雲紫は対等ではなかった。 紫は幻想郷を愛していた、嘘、偽りなく、幻想郷一、愛していた。 幻想郷に存在する全ての事を記憶しているというのに。 「……紫様」 だからこそ、 藍は問わなければならないと思う。 「幻想郷の景色を、その親友に見せたかったんじゃないですか──」 言った、 否、言ってしまった。 紫は驚いて藍の言ったことを心の中で復唱する。 私は彼女に見せたかった。 この理想郷を、いやこの幻想郷を。 自然に囲まれた、綺麗な景色を彼女に見せたかった。 「そうね、私は彼女に見せたかったわ。……けどその願いも叶わなかった」 そう、叶わなかった。 それだけの、こと。 「最後に一つだけいいですか?」 「ん」 「紫様は、これから何をなさるつもりで……?」 紫は藍に背を向けて、黒い本を携えながら、寂しげに言った。 「幻想郷を元通りにするのよ」 「……どういう」 「幻想郷を覆う博麗大結界を消し、幻想入りする要因を消して、  自然だけの世界に戻すのよ。……藍、終わった先はなんだと思う?」 「無、ですか……?」 「いや違うわ、終わりの先は始まりよ。"幻想郷が始まる"というスタートラインに私は準備しなければならない。  最後に用意された外の世界の時間がそう設定されてるのよ、無限回廊のように。  だから、藍。私は貴女を式という縛りから解くことにするわ」 「……えっ?」 藍は紫の言った事が信じられなかった。 いや、察しがつくからこそ、次の事態が安易に読めてしまった。 「私は、良い従者を持った。ありがとう、藍」 「待ってください、紫様!!」 隙間が藍の下に展開されていく。 紫が藍に振り向かないのは、泣いているのか分からないけども、藍は下に現れた隙間を避けて叫んだ。 「紫様ッ、私は貴女に最後まで仕えると──」 「……だから、嫌なの」 「えっ」 「私が向かうのは始まりではなくて終わりよ、貴女は来るべきじゃない。違う、来てほしくない。  貴女が藍だから、"次の私と幸せに暮らす方がいいに決まってる"」 「仰る意味がわかり……」 紫の右手が上がる。 刹那、藍の体が妖狐の姿へ戻っていく。 九尾の妖狐にへと。 「私は、つらいの。貴女だけは生きてほしいから。だからこそ私はこの選択をした」 紫が、振り返る。 「ありがとう、そして、ごめんね」 その瞬間、藍は黒い闇に飲み込まれた。
「ほんとに、ありがとう」 終わった。 遂に、私は一人になった。 藍という従者を私は解いた。 けれどこの先は始まりではなく、終わり。今を生きるものからの視点ならば、藍の言う通り"無"が待っている。 己の寿命が潰えるまで、延々と廻り続ける。螺旋の道。 「泣いてちゃ駄目よね」 私はもう、物語の主人公ではないのだから。 だからこそ、やらなきゃいけない。 私が私であるがために、 紫は隙間を開き、足を踏み入れる。 行き先は勿論、幻想郷。 お気に入りの傘を持って、紫は向かう。 全ての思い出を、無に還す為に。
手を掲げ、昔のあるべき姿にへと戻していく。 この地で過ごしてきたことは、手に取るように、走馬灯のように思い出せる。 そんな場所も私が終止符を打つとは皮肉なものね、と紫は目の前の幻想を見つめながら、思う。 光の粒子が幻想郷の地を包み、全ての幻想を分解していく。 自然と、涙が出てきた。 思えば、博麗は幻想郷の抗体のようなものだったかもしれない。 異変が起これば、彼女が動く。 そして異変を解決しては仲良くなって……。 もしかしたら羨ましかったのかもしれない。 立場というものから、直接的に異変を解決しては妖怪と人間の均衡が破れてしまう、と。 皮肉にも、今日は幻想郷の生まれた日。 いや私が私である前に彼女が幻想郷へと"招かれた"日。 『ありがとう、紫』 全てが消失するその時に、 そんな声がした── 幻想郷にいた皆からの声に、紫は驚いて周りを見た。 今のは霊夢に幽々子に……。違う、皆だ。 辺りを見渡しても、そこにあるのは広大な野原だけ。 人影など何処にも無かった。 「どういたしまして、次もよろしくね」 紫は泣きながら、けれども精一杯の笑顔で"皆"に言った。 ほんとに、ありがとう。 暫くの間、紫は幻想郷を眺めた。 ずっと眺めていたかった。 皆との思い出をいつまでも覚えていたかったから。 けれど、紫には時間があまり残されていなかった。 寿命とセカイの終演、どちらが早く終わるかの瀬戸際だった。 やるべきことはまだ、ある。 「さようなら、またすぐ会いに行くから──」 隙間を展開し、一度振り向いて、けれど悲しくなりそうですぐ向き直った。 向かう先は、ただ一つ。 全てが始まった、あの出来事へと。 蓮子と神社へいったあの日へと。 私は、行く。
隙間をくぐった先に見えたのは、紛れもない、守矢神社の跡地。 高台にあるからこの土地を誰も買わないのだろう。「売ります」と書かれた看板が傾いていた。 「いたたたたた、やっぱり私がいるから拒絶反応ということかしら」 外の世界に来た途端、激しい頭痛に苛まれた。 同じ存在が同じ次元にいるからこそのリバウンドだろうか。 ……だったら希望はある。この世界にメリーがいるのだから。 空を見上げたら一番星が光輝いていた。 紫は必死に記憶を辿る。 確かあれは、夜に蓮子と神社に行った筈だ。 いやまて、どこの神社だった……? 確かあの日は蓮子にノートを貸して、 喫茶店で蓮子が神社に行こうと持ちかけた……! 薄暗い、神社。 古びていて、寂しげな神社。 確かあの表札には……。 「繋がっていたなんてね……、時間が無い……急がなきゃ」 場所は彼処しか無いのだから。 必死の思いで、私は隙間を展開した。 この能力も、そろそろ限界というのに── さっきより、頭が痛い。 紫はその痛みに耐えながら、隙間の向こう───古びた神社へと目を向ける。 石畳が所々剥がれていて、人の気配なんて無かった。 私は神社の入り口に"黒い本"を置いて、目の前を見据え、深呼吸をする。 この向こうに、二人はいる。 私はあの二人に見られてはいけない。 私に会ったという事実が影響してしまうから、私が会った数秒こそが未来を変えてしまう。 蓮子に会ってしまえば遠い過去、いや遠い未来に私と蓮子は会っている。 その時、今会った事実を覚えていたら、何が起こるか予想ができない。 過去に行ったとしても、人一人殺せばその人に関わった全ての人間の未来が変わるということ。 その関わった人から関わった人へと未来が変わる。まるでねずみ算のように。 だからこそ、細心の注意を払わなければいけない。 だけど、この本は別。 こればっかりは私の我が儘。 またメリーには、いや"あの二人"には後悔してほしくないから。 だから、だから私はこの本を書いた。 神社の中にへと、足を踏み入れる。 踏み入れた途端、全身が燃えるような痛みが走った。 「…………っ」 その痛みの先に、 「ねぇ、連子早く帰ろ」 「えー、せめてお賽銭くらい入れていこうよ」 「んじゃお賽銭入れたらすぐ帰るわよ」 「仕方無いなぁ」 「さ、はやくはやく」 あの、二人の姿を見た。 「─────ぁ」 私がもう一度戻りたいと願ったあの時に。 今、私は戻ってきた──。 声に出して叫びたい……! いつものあの日常を少しでもいいから触れたかった───。 でも結局、私は戻れない程の過ちを犯してきたのだ。 「……そう、よね」 どれが正しい選択で、どれが正しくない選択なんてわからない。 私は八雲紫になったことが間違いだとは思わないし、後悔もしていない。 ただ私は、違う選択に夢を持ってしまっただけ── 「最後に夢を見れて良かった──」 そして、紫は操る。 無と有の境界を、 ───チャリーン 無と有の境界、 メリー以外の時間を無にし、時間停止させる。 境界を弄り、この神社の空間だけは風が止まり音さえも響かなかった。 「…………これが最後」 紫はメリーの死角から彼女を見ていた。 私より少し幼い顔立ち、私の愛用している帽子……。ああ、私なんだなと今更ながらに思う。 いやあれが私なら、この場にいる私は一体誰なのか。そう思ってしまう。 けれどそんな考えも境界を弄ったリバウンドの痛みで消え去ってしまう。 やり残した事は、無い。 「……次は、もっと……幸せに、なってね……」 痛みで頭が朦朧としながらも、眼前に見えるメリーを見据える。 慌てふためく彼女は、 まさしく人間だった。 ───悲しいくらいに。 隙間をメリーの足元に展開させようとする。 「…………」 能力の使いすぎだろうか、 座標位置がずれてしまう。 「こん、なところでっ、終わるわけにはいかないのよ……!」 無数の隙間を開く、 それこそ、おびただしい数の隙間を。 『どういうこと……? ねぇ蓮子、助けて!』 「……ごめん、ね」 最後の力を振り絞る。 刹那、メリーの足元に隙間が出現する。 メリーの叫び声も虚しく、彼女は隙間へと落ちていった。 ──終わった 全身が燃えるような痛みもひいてきた。 紫は神社周辺の境界を解いてふう、と深呼吸した。 『メリー?ねぇメリーったら!』 蓮子の声が聞こえてきた。 『ここに連れてきたのは悪かったからさ!メリーどこにいるの……!』 拳を、ぎゅっと握る。 私はよろめきながらも神社の影に身を潜め、蓮子を見ていた。 「ごめん、ね……」 また、涙が溢れてきた。 蓮子が黒い本を手に取り、駆けたのを見届けた後、夜空を眺める。 雲一つ無い夜空に、星の輝きは見えなかった。 段々、視界がぼやけてきた。 ああもう、ロスタイムとか用意されてないのねと自嘲気味に笑う。 …………。 ………………。 今更、気付いた。 私が死んだら閻魔に会うだろう。だがしかし紫が死んだという事実は無くてはならない。 ──最後まで、私は独りという運命だった。 「っ、あははははは!! …………はぁ」 涙を拭い、立ち上がる。 藍をここまで連れずに来て正解だった。 連れてきたら、こんな決断、出来なかったから。 私は賽銭箱の前に立って、なけなしの賽銭を入れる。 乾いた音が、一つ。 目を閉じて、祈る。 我ながら、最期に願ったのは馬鹿みたいだと思う。 また、みんなに会えますように。 私は、手を合わせて願った。 拍手は手が震えて、出来なかった。 もう使わないと思った力で隙間を開く。 右手が透き通って見えて驚いた。消滅するってこういうことなのね、と。 天はどうやら普通に死なせてはくれないらしい。 「…………ぁっ」 ──左足が消えかけていた。 消えていく感覚に恐怖しながら、右足でなんとか隙間へ入っていく。 一方通行の隙間の中に。
「……ひっ、あ、あなたは誰ですか───」 艶やかな金の髪に淡い紫のドレスを来た少女── 「…………」 ……私が、そこにいた。 「八雲紫、よ。そして貴女が向かうのは幻想郷」 「紫……さん? か、体が、すっ、透けてますけど……!」 「次の未来は、任せたわ」 私はメリーに向かって微笑むと、メリーの体が白く輝いていった。 きっとこのほんの少しの時間をメリーはこの瞬間になるまで思い出さないだろう。 けど、これでいい。 私が八雲紫と名乗り、幻想郷と名付けた先には、私がいた。 この螺旋の中で、私が決めたことに改めて嬉しくなる。 きっと、次もやってくれるだろう。 『待って───貴女は!』 「狐と猫によろしくね」 白い光が消えた頃には、メリーの姿は消えていた。 黒い、何も無い空間で私は笑う。 消え行く灯火に、身を委ねて。 きっかけは、ほんの小さな好奇心。 ───博麗神社 全てはあそこから始まり、 あそこから終わった。 今思えば、早苗が私の記憶から消え去ったのも理解出来たし、幻想入りする前の思い出だって覚えてる。 ただ、思い出すのが遅かっただけ── 蓮子だってそうだ、あのお墓の前で彼女に出会っていなかったら、今私はここにはいない。 だとしても、幻想郷が廻るということは。 「偶然は必然、ね」 これが私の運命。 人間にも妖怪にもなれなかった、紫が、幻想郷を愛し、幻想郷の為に消える。 そんな話。 ああ、そう思うと私の人生もなかなか悪くない。 寧ろ、思い出すのは、 あの頃の幸せな一時。 『紫、はいお茶。熱いから気を付けなさいよ』 『あら紫じゃない、花見にでも?』 『紫〜、酒でもどうー?』 『あはは、この天人に刃向かうとは……ってうわあっ!?』 みんなが、待ってる。 『紫様、私はいつまでもお側にいます──』 私は、みんなを待たせてきた。 今度は私が待つ番だよね。 待ってるよ。 何年も何十年も、それこそ、何億年でも。 私は全てを待ち続ける。 どんな困難が訪れたって、 いつまでも、 いつまでも。 みんなが幻想郷に来るまで── 待ってるから───。

Ending

──数日後。 蓮子はあの時拾った黒い本を手に取る。 メリーが行方不明になった日に拾った本だから縁起が悪いと思って何度も捨てようと思った。 けどいつのまにか思い止まって捨てずにとっておいた。 蓮子はふとその本を読むことにした。 黒い表紙には何も書かれてはおらず、 表紙を開くとそこには筆で書かれたような字。 あ、と思い。 咄嗟にメリーから借りていたノートと照らし合わせる。 「……そんなこと、って」 同じ筆跡、同じ癖。 何年も一緒に過ごしてきたからこそ分かる小さな"糸" 手が震える。 これを書いたのはメリーかもしれない。そんな淡い希望を持って。 目次も何もない、本。 一頁目に、こう書いていた。    この本を手にとってくれてありがとう。    私は幻想の存在でもない、ただの人間。だけどここに書いてあるのは、事実。    私が見てきた全てを、この私が稚拙ながら書き記したものである。    ……この本は貴女にしか読めないカラクリが為されてる。だからこそ最後までみて欲しい。    そして、そんな世界があると知って欲しい。    そんな理想郷に行ってみたいと願うなら、この本を大切にすること。    きっとこの本を書いた私が、貴女を迎えに行くわ。    いやきっとなんてないわね、絶対に。 ……この著者の言葉の使い回しに驚く。 だってメリーと"変わらない"のだから。 「全く、メリーらしいや。絶対って書くくらいなんだから本当に来てくれるんでしょうね。  ……っ、あはははっ。だったら私は待ってるよ、その日まで、メリーに会えるその時まで私は待つから」 蓮子はくすっと笑い、 頁を捲る。 どれどれ、あの子の文章力はどうかしら、誤字脱字があったら再会した時にでも見せてやろうかしら。 きっとメリーは、頬を真っ赤にしてこの本を取り返そうとするよね。 だから馬鹿な私は馬鹿みたいにその日を楽しみにしてるんだからね。 ──そんな事を思って。 「さーて、メリーの小説。読んでみるとしますか」 この世界は決して終わる事のない人形劇。 終わりは始まりで、始まりは終わりで。 この物語は、そんな人形劇を演じた人間と妖怪の物語。 そう、この本のタイトルは…… 『東方短編集』 素晴らしき幻想に、          幸あれ──
End...

あとがき

遂に、遂に。 東方短編集が完結致しました。 さて、最後を読みきった余韻がまだ続いているのなら進むのは遠慮した方がいいかもしれませんw それでは── 2007年の11月から執筆を始めたこの東方短編集も。 遂にハッピーエンド(?)で終わった訳です。 この小説は前から、短編集なのにどこか繋がりをもった小説にしようと決めていまして。 メインストーリーは考えていました。 伏線を些細な文章に入れて最後の最後に分かるようなそんな物語。 昔の話は文章が破綻していますが、読み返すとああなるほど!って思えるようなそんな話になってたらいいな。 ともあれ、この三話連続の解説ですね。 ■八雲紫の愛した幻想郷 紫と霊夢の平和な話。 ここではいかに紫が幻想郷を想い、霊夢に感謝しているのを書きたかったんです。 このままユカレイもいいなと思いましたが、どうみても次回からシリアス受け合いなので没。そりゃそうだ。 あの話には幻想郷が生まれた日を春ということで、霊夢と紫は宴会に行かなかった訳ですが。 ちなみに裏話で、霊夢の誕生日という脳内設定がありました。 そう考えるとあの話は色んな設定を没という返り血を受けた話になりますね。 そういう表現にしちゃうと怖いね!不思議! ともあれ、次の話に繋げる鍵でもあり、区切りなのかなと。 前の話が紅魔館話ですしね。 ■夢は貴女と共に 早苗と蓮子とメリーの話。 早苗達が無理矢理に幻想入りすることによって、彼女達の存在や記憶も思い出もが幻想になって消え去った、そんな悲しい話。 この舞台背景には色々と考えてたりします。 一つは西方の世界観。植物が人工的だったり、あわよくばサボテンエネルギーとか出したかったですが、 西方を知ってる方ってそんないなさそうだし知らない方には不自然な文章に戸惑いを感じちゃったらあれなので没。 ただ、月面ツアーやら列車とかは入れました。さりげなく。 神主のCDに書いてあるし認知度は高いよねきっと!という考えで。 そして更に、紫が全てを忘れないと考えたきっかけの話でもあります。 ……それにしても、なんで見ず知らずの不確定要素の大きい幻想郷に二人の神様は行こうと決断したのでしょうかね。 ■東方短編集 〜The End Story 気の遠くなるような、最後の話。 幻想郷には誰もいなくて、幻想郷が終わる少し前の話。 読んでいて気になった方もいるでしょうね。 橙が、書かれていない事に。 話の中では橙について一つも触れてませんでしたが、それも意図的です。 結局彼女もまた、生きる妖怪だったという訳です。 さてさて、本編ですが色んな伏線を拾っています。 第二の親友=幽々子を指す 意味ありげな台詞も遂に分かるわけで。(サイトには載せて無い話でした!ごめんなさい) 第一は誰だったのか、ここで明らかになるという訳で。 他にも意味ありげな言い回しのものを繋げてる部分もあります。 紫が書いていた黒い本は、まさしく、今お読みしている東方短編集です。 はい、これがやりたかったことの一つです。 黒い表紙で、まさかと思った方もいるんじゃないでしょうか。 ええそのまさかだったりします。 最終話を読み、表紙に戻れば、ああそういうことだったのか。と思う筈です。 ・幻想郷と外の世界(二次設定の説明?) 一から百までの時間があって、 紫は幻想郷から外の世界の一から百までのいつでも隙間を使っていけます。 けれど0の時には隙間を使って行けません。 その0はつまり幻想郷が始まる時であり、同時にタイムリミット。──終わるという意味があります。 外の世界は一から百へと進みますが、 幻想郷の終わりのその時には0へと至る、という感じですね。 ここらへんの時間軸が文章でうまく伝えられないのがとても歯痒いですが、なんとなく感じとってもらえれば幸いです。 もう一度、最終話を読んで、また更に今と過去の邂逅の一話を読んで頂けると、ああなるほど。となる筈・・・! 『待つ』 というフレーズを全話通して意識したような気がします。 最後の、みんなを待つという意味は文字通り。 幻想郷へやってくる時を待ってるよ、という意味ですね。 幻想郷という世界は色んな世界に影響を与えていたような気がします。 天界、地下、冥界、地獄……。 なんだか千と千尋の神隠しみたいな世界観に似ているような気がしたりします。 ともあれ、最終話はあまり解説というような解説はあまりしません。 やっぱり読み手それぞれにイメージして欲しいですからねw 神主の、どこか曖昧な設定と世界観こそが、 今日の東方の二次創作の幅を大きく広げたのではないかと思っています。 曖昧だからこそ、クリエイターはIfを求めて、創るんです。 その曖昧こそが、曖昧からの探求こそが私にとっては楽しみであり面白さではないかと思っています。 だからこそ私はIf話を書き、夢見るその世界観に気付くんです。 この小説を読んでくれた方が何かを感じていただけたら私は嬉しいです。 小説って読むと自分も書いてみたくなるんです。私もそうでした。 これを読んで、東方の小説を書いてみたいと思ったのなら感動して涙がちょちょぎれます。うはは。 そしてこの本は一冊とは限らない訳で───。 東方短編集   〜The Another Story 2009 6/6 1:52 記

 

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